由禧(よしき)先生

氷河期世代が心の痛みを語るとき

2025/10/13 21:52:29

「ほんと、しんどかったよね」




誰かにそう言ってほしかった。

でも、言ってくれる人はあまりいなかった。



私たちの世代は、いわゆる“氷河期世代”の少し前後。

社会は「成果第一」で動き、

教育も家庭も「我慢と根性」が美徳とされた時代。



「お前の代わりはいくらでもいる」

「迷うな、泣くな、弱音を吐くな」



そんな言葉に、日々囲まれていた。

その言葉は、口にされるたび、静かに胸を締め付けた。

でも、声に出して「つらい」と言える状況はほとんどなかった。





だから、私たちはいつも自分の心を押し殺して生きてきた。

泣きたくても泣けず、怒りたくても押さえ込み、

喜びも慎重に味わうしかなかった。

感情を押し込めることが、「生き延びる術」だったから。





でも、その代償は大きかった。

心の奥にたまった小さな悲しみや孤独は、

いつしか深い海のように静かに、

けれど確かに存在していた。




そして大人になった今も、その海は時折、

津波のように押し寄せることがある。





私は、自分の感情の深さに驚くことがある。

自然の景色や、作品、音楽に触れたとき、

心の中に素直に湧き上がる感覚。

それは誰に遠慮することもなく、純粋に“感じる”ことができる。



でも、人に向ける感情は違った。



誰かを傷つけてしまうのではないか、

相手の波に飲み込まれてしまうのではないか。



だから、扉を閉じ、感情を制御しようと必死になる。



その結果、自然に湧き上がる喜びや悲しみすら、

人に対しては“津波”のようにしか感じられなくなった。





そんな私たちの痛みを、

ようやく理解してくれる人に出会う瞬間がある。



「何があかんの?」



そう言ってくれた精神科医の言葉に、

私は溢れる涙を止められなかった。



自分の存在や感情が、否定されないで済む場所が、

初めて心の中に生まれた瞬間だった。





この体験は、小さな光だった。



私たちはその光を求め続けてきた。

言葉にできずに抱え込んできたしんどさを、

少しずつ吐き出すことでしか、癒すことはできない。



世の中は、つい「ダメ出し」を繰り返す。



特に私たちより前の世代は、

脅すように、縛るように、努力と成果を求めた。



「もっと頑張れ」「努力が足りない」



その言葉の影には、常に恐怖があった。



でも、その恐怖に耐え抜いた私たちは、

今、ようやく「生き延びた自分」を認められる。





まずは、自分自身に「ほんと、よく耐えたね」と言ってあげること。

そして、同じ世代の仲間と「しんどかったね」と言い合えること。



それができたとき、心に溜まった痛みは少しずつほどけ、

負の連鎖は静かに消えていく。





私たちが抱えてきた痛みは、

次の世代に知らず知らずのうちに伝わることもある。



でも、私たち自身が癒され、声に出して語り合うことで、

その連鎖を断つことができる。



自分を責める必要も、泣くことを怖がる必要もない世界を、

少しずつ作っていくことができる。





自然や作品に触れて感情を味わえること。

自分のしんどさを認め、涙を流せること。

誰かに「大丈夫」と言ってもらえること。





それだけで、人生は少しずつ優しくなる。

氷河期世代として生きてきた私たちは、

そのやさしさの橋を、次の世代へと渡す存在でもある。






だから、もし今日、あなたが

「ほんと、しんどかった」と思ったなら、

それを胸の奥で抱え込まずに、言葉にしてみてほしい。




自分の痛みを認めることは、弱さではない。




それは、人生を取り戻す第一歩であり、未来に希望をつなぐ光だ。






ほんと、しんどかったよね。

でも、ここにいる。

感情を抱えながら、少しずつ、確かに前に進んでいる。






由禧(よしき)

由禧(よしき)先生
予約受付中

由禧(よしき)先生
280円/1分
  • 【性別】
    女性
  • 【鑑定歴】
    1-2年
  • 【鑑定の雰囲気】
    とても話しやすい
  • カメレオン憑依による心の代弁 親子問題・子供の未来、可能性のサポート 文殊菩薩が照らす導き
ページトップへ