由禧(よしき)先生
逃げる心と赦しの物語
2025/09/30 17:02:50
主人公のヨナは預言者で、
神から「悪い町・ニネベに行き、悔い改めを伝えなさい」
と命じられます。
しかしヨナは怖れて逃げ出し、船で遠くへ向かおうとします。
嵐に遭い海に投げ込まれたヨナは、
大魚の腹の中で3日3晩過ごし、
祈りを通して神の意志を受け入れます。
ニネベに行き警告すると、民は悔い改め、
神は町を滅ぼさず赦しました。
物語の核心は、
逃げる心、向き合う勇気、
そして神のあわれみにあります。
◇逃げる心と赦しの物語:現代に生きるヨナの教え◇
ある日、預言者ヨナは神から呼ばれました。
「ニネベの町に行き、人々に悔い改めを伝えなさい。」
しかしヨナの胸はざわつきます。
敵国の町、人々の悪事、危険な旅路…。
「行きたくない」と、彼は心の中で逃げ道を探しました。
そして船に乗り、遠くタルシシュへと向かいます。
__私たちも日常の中で同じような感覚に陥ります。
やらなければならない仕事、
向き合うべき人間関係、避けたい課題。
「どうして私ばかり」と思うと、
心は自然と逃げを選びたがります。
__ところが、ヨナの逃げ道も神の力にはかなわず、
嵐が船を襲いました。
船員たちが「誰のせいだ?」と問い、
ヨナが自ら身を投げると、大きな魚が現れ、
彼を飲み込みました。
魚の腹の中は暗く、孤独で、
外界の音も届きません。
__この「大魚」は、現代人の私たちにとっても象徴的です。
困難やストレスの中で立ち止まり、
ひとりで自分と向き合う時間。
逃げることは罪ではなく、
内省の機会でもあるのです。
3日3晩、暗闇の中で祈り、心を整理したヨナは、
ようやく使命を受け入れます。
そしてニネベの町に到着し、警告を伝えました。
「あと40日で町は滅びる!」
驚いたことに、
町の王も民も心を入れ替え、断食し悔い改めます。
神は町を滅ぼさず、慈しみの手を差し伸べました。
__私たちも、勇気を出して小さな行動を起こせば、
意外な変化を生むことがあります。
自分だけでなく、
周囲や社会の流れまで変わるかもしれません。
__しかし
ヨナは怒りました。
「なぜ敵の町を赦すのか!自分の思い通りにならない!」
神は静かに問いかけます。
「あなたは一夜で生えて枯れた植物を惜しむ。
では、何千もの命を抱える町を、
私が惜しまないでいられるだろうか。」
__現代人も、自分の感情に囚われて
視野を狭めてしまうことがあります。
怒り、不満、損得…小さな枠にとらわれると、
本当に大切なものを見失いがちです。
ヨナ書は教えてくれます。
「広い視点で、慈しみと赦しの心を忘れずに」
と__。
このお話での現代人にも通じる示唆は
・逃げたくなる自分も認める。
・逃げることは自然。
立ち止まり、内面と向き合う時間を大切に。
・小さな勇気で一歩踏み出す。
行動は周囲の変化も生む。
完璧である必要はない。
・感情に囚われすぎない。
怒りや苛立ちは自然だが、
全体の視点を持つこと。
・赦しと慈しみの心を育む。
自分にも他者にも、無条件のあわれみを。
ヨナの物語は、古代の預言者の話でありながら、
現代の私たちの人生や心にも深く響きます。
困難や葛藤の中で立ち止まり、向き合い、赦す心を持つこと。
それが、私たちの人生を豊かにする小さな奇跡なのです。
由禧(よしき)
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